🍂 季節の変わり目に負けない体をつくる「免疫サポートごはん」
1. なぜ季節の変わり目に体調を崩しやすいの?
11月は日ごとの寒暖差が大きく、犬も人と同じように自律神経と免疫バランスが乱れやすい季節です。
寒さへの適応が追いつかない時期は、体温調節のためにエネルギーが消費され、免疫細胞の働きが一時的に低下します。特にシニア犬や小型犬、短毛犬では冷えによる代謝低下が顕著です。
また、空気の乾燥により粘膜バリア(鼻・喉・腸)が弱まり、ウイルスや細菌への抵抗力も下がるため、早めの「免疫ケア」が鍵になります。
2. 免疫の70%は“腸”でつくられる
腸は単なる消化器官ではなく、全身の免疫システムの中心です。
腸内には体全体の免疫細胞の約70%が集中しており、腸内フローラのバランスが整っていると、外敵の侵入にすばやく反応できます。
特に秋から冬は腸の動きが鈍くなりやすい季節。腸の免疫機能を高めるには、まずプロバイオティクス(善玉菌そのもの)と、 そのエサとなるプレバイオティクス(りんご・ごぼう・チコリなどに含まれる水溶性食物繊維)の両方を意識することが大切です。 これらを少量ずつ継続的に取り入れることで、腸内フローラのバランスが安定し、免疫の土台を支えることができます。
3. 食材で支える免疫:注目の栄養素とその働き
- 🥩 高品質な動物性タンパク質
免疫細胞の材料。馬肉・鹿肉・鶏胸肉など消化吸収のよい動物性タンパク質の新鮮肉を中心に。 - 🐟 オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)
体の炎症を穏やかにし、皮膚バリアを守る。サーモン、イワシ、亜麻仁油など。 - 🍄 β-グルカン(きのこ類)
免疫細胞マクロファージを活性化。しいたけ、まいたけ、えのき、ハナビラタケなど。 - 🥕 抗酸化ビタミン(A・C・E)
細胞の老化を防ぎ、ウイルス抵抗力をサポート。ブロッコリー、にんじん、かぼちゃなど。 - 🧂 ミネラル(亜鉛・鉄・セレン)
皮膚と被毛、免疫細胞の再生を促す。レバー・卵黄・牡蠣パウダーなど。
4. 体を“温める”食事の工夫
冷えは免疫低下の大敵。
生食を与えている場合でも、常温または軽く湯せんして体温に近づけるだけで代謝がスムーズになります。
体を温める食材としては、鶏肉・かぼちゃ・にんじん・しょうが少量(※)などが知られています。
※刺激が強いため微量から様子を見て。
冷えが気になるシニア犬には、スープや温野菜をトッピングして内臓を温めるのも効果的です。
5. 毎日の中でできる免疫ケア
- 🌞 朝日を浴びる:体内時計を整えてホルモン分泌を安定
- 🚶♀️ 軽い運動:血流を促し、免疫細胞を全身に巡らせる
- 💧 水分補給:加湿器やスープで乾燥対策
- 🧡 ストレスケア:安心できる環境が免疫を支える
6. まとめ|食で“冬支度”をはじめよう
免疫を支える食事は、特別なことではありません。
腸を整え、体を温め、酸化を防ぐ──この3つを意識するだけで、季節の変わり目を元気に乗り越えられます。
冬本番になる前に、今からできる“小さな工夫”を始めてみましょう。
※疾患治療中や高齢犬の場合は、必ずかかりつけ獣医師にご相談ください。