犬に与えてはいけない食材リスト|科学的に見るNG・注意・条件付きOK食材まとめ

犬に絶対与えてはいけない食材リスト|条件付きOKの科学的根拠も解説

犬に絶対与えてはいけない食材リスト|条件付きOKの科学的根拠も解説

「〇〇は犬にダメ」と言われる食材は多いですが、実は “量・加工・個体差”で安全性が変わる食材もあります。
本記事では、本当に避けるべき絶対NG条件付きでOKになる理由、さらに 穀類・芋類・豆類の位置づけ犬種要素(注意喚起)まで、自然派・生肉(生食)志向の視点で深掘りします。

🚫 絶対に避けるべき食材

食材主な有害要因症状・影響メモ
玉ねぎ・長ねぎ・ニラ(大量のニンニク含む) チオ硫酸塩、アリルプロピルジスルフィド 溶血性貧血、嘔吐、黄疸、虚弱 猫・子犬・日本犬は特にリスク高
チョコレート・カカオ テオブロミン 興奮、頻脈、けいれん、最重症で死亡 ダーク系ほど危険
キシリトール 人工甘味料 急激な低血糖、肝障害 ガム、歯磨き粉に注意
ブドウ・レーズン 腎毒性(原因物質未特定) 急性腎不全、嘔吐、虚脱 個体差あるが少量でも危険
アルコール エタノール 中枢抑制、嘔吐、昏睡 発酵食品・酒粕も注意
カフェイン飲料 メチルキサンチン 興奮、不整脈、嘔吐 コーヒー、紅茶、栄養ドリンク

⚖️ 条件付きで注意すべき食材

🧄 ニンニク:微量・加工次第で有用に

一律NGとされがちですが、中毒量は生換算で体重1kgあたり15〜30gとされ、 微量の乾燥粉末・発酵タイプは安全域が広く、抗酸化・抗菌・肝代謝サポートの報告もあります。
ただし、猫・子犬・日本犬(柴・秋田など)・貧血傾向の子は避けるのが無難。

目安:成犬10kgで生換算0.5g程度を上限に。粉末ならさらに少量で十分。

🥑 アボカド:果肉の少量は概ね安全

毒性成分ペルシンによる犬の中毒はまれ。果肉少量は問題ないとされます(皮・種はNG)。森のバターと言われることも。

🍅 トマト:完熟果実の少量は可

未熟果のソラニンに注意。完熟を少量ならOK。

🥚 卵白:黄身と一緒ならOK

アビジンによるビオチン阻害は黄身のビオチンで中和。新鮮なものを適量で。

🐟 青魚:酸化に注意すれば理想的なEPA/DHA源

酸化油はNG。低温冷凍・非加熱でフレッシュに使えば◎。

🌾 穀類・芋類・豆類は“不要”が基本

犬は糖新生能力が高く、炭水化物は必須栄養素ではありません(NRCでも必須指定なし)。
穀類・芋類・豆類を主原料にすると、消化負担・腸内発酵・皮膚トラブルを招きやすく、 自然派/生食の観点では主食として不要と考えます。

🫘 大豆

  • レクチン、フィチン酸、トリプシンインヒビターなどが腸粘膜の微炎症・タンパク吸収阻害を起こしやすい
  • 不耐性(ガス、軟便、皮膚炎、涙やけ)が臨床で多く観察される
  • 加熱・発酵でリスクは低減するがゼロにはならない
  • 大豆ミール/加水分解物/大豆油など加工副産物はさらに懸念
結論:主食への常用は推奨しません。除去で改善するケースが非常に多い食材です。

🐕 大豆不耐性と犬種

「犬種=大豆不耐性」と断言できる決定的エビデンスは現時点で限定的です。
一方で、臨床報告や検査データの傾向として、 小型犬種(例:マルチーズ、ビション・フリーゼ、トイ・プードル、シーズーなど)で 皮膚/涙やけなどの食物関連トラブルが問題化しやすいとの観察はあります。

重要なのは、IgE陽性=臨床症状の確定ではない点。 最終判断は除去試験→負荷試験が標準です。

実務上の指針:
・皮膚炎、耳の脂漏、涙やけ、ガス・軟便が続く場合はまず大豆を外す除去食試験を2〜4週。
・改善が見られたら再負荷で確認(少量→症状戻るかを観察)。
・犬種は参考情報に留め、個体差を優先して評価。

🩺 与え方の基本ルール

  • 新しい食材:1種類ずつ、体重1kgあたり0.5g程度から試す
  • 症状が出たら:一時中止し、48時間で回復しなければ獣医相談
  • ローテーション:週単位で食材を入れ替え、偏りや感作を防ぐ
  • 加工・保存:酸化(油・魚)と高温劣化を避け、フレッシュに

まとめ

  • 絶対NG(玉ねぎ・チョコ・キシリトール・ブドウ等)と、条件付きOK(ニンニク・アボカド等)を区別して考える
  • 穀類・芋類・豆類は主食として不要。特に大豆は不耐性/炎症リスクが高く、除去で改善例が多い
  • 犬種は参考に止め、最終判断は除去→負荷試験
  • 自然で新鮮な動物性中心(生肉/生食)+適切なローテで、体の声(便・皮膚・被毛・体臭)を見ながら最適化
ひとこと:「絶対ダメ」を増やすより、“なぜ・どのくらい・どう加工で変わるか”を理解すると、賢く安全に選べます。