犬の冬〜春の皮膚トラブル(乾燥・静電気・フケ)の原因と食事
はじめに|季節の変わり目に増える、皮膚の小さなサイン
冬から春にかけて、
「毛がパサついてきた」「フケが目立つ」「触れると静電気が起きやすい」
そんな変化に気づく飼い主さんは少なくありません。
病気とまでは言えなくても、
「食事が合っていないのかも」「乾燥だけの問題?」と、
迷いが生まれやすい時期でもあります。
この記事では、冬〜春に起こりやすい犬の皮膚トラブルについて、
体の仕組み・季節変化・食事と栄養の視点から、
中立的かつやさしく整理していきます。
犬の皮膚は「体の内側の状態」を映す器官
皮膚はバリアであり、免疫とも深く関わる
犬の皮膚は、外部刺激から体を守る「バリア」であると同時に、
免疫系や神経系とも密接につながる器官です。
そのため皮膚の状態は、
- 空気の湿度・温度
- ホルモンや自律神経の影響
- 栄養の摂取状態
- 腸内環境
冬〜春は皮膚バリアが揺らぎやすい
この季節は、
- 暖房による空気の乾燥
- 寒暖差による体調変動
- 換毛期前後の皮膚代謝の変化
乾燥・静電気・フケが起こる仕組み
乾燥:水分と皮脂のバランスの乱れ
皮膚のうるおいは、水分と皮脂が適切なバランスで保たれています。
冬は皮脂分泌が低下しやすく、バリア機能が弱まりがちです。
静電気:被毛構造と湿度の影響
空気中の湿度が低下すると、被毛同士の摩擦で静電気が起こりやすくなります。
特に毛量の多い犬や室内飼育の犬では顕著です。
フケ:皮膚の生まれ変わりのサイン
フケは皮膚のターンオーバーが乱れた結果として見られることがあります。
必ずしも病気ではありませんが、赤みや強いかゆみを伴う場合は、
獣医師への相談が勧められます。
食事と皮膚の関係|内側から整える視点
皮膚は「食べたもの」から作られる
皮膚や被毛は、主に以下の栄養素を材料として作られています。
- 良質なたんぱく質(アミノ酸)
- 必須脂肪酸(オメガ3・オメガ6など)
- ビタミン・ミネラル
これらの不足やバランスの乱れは、
皮膚バリアや被毛の質に影響する可能性が指摘されています。
加工度の低い食事と皮膚の研究
実際に、
加工度の低い食事、特に生肉(生食)を含む食事については、
犬の皮膚や被毛の状態、皮膚バリア機能との関連を検討した研究が複数報告されています。
これらの研究では、
- 必須脂肪酸の摂取状態
- たんぱく質の消化性やアミノ酸組成
- 加熱や加工による栄養素の変化
その結果として、
加工度の低い食事を摂取している犬で、
皮膚や被毛の状態が良好に保たれている傾向がみられた、
とする報告もあります。
ただし、これらはあくまで関連性を示したものであり、
すべての犬に同様の結果が当てはまるわけではありません。
腸内環境との関係
腸は栄養吸収だけでなく、免疫調整にも関わる重要な器官です。
腸内環境と皮膚状態の関連についても、近年研究が進められています。
HUGBOX(ハグボックス)では、
腸を起点に体全体のバランスを考えるという視点を大切にしています。
それは特定の食事法を推奨するというより、
「体の仕組みを理解した上で選択する」姿勢です。
日常でできる、無理のないヒント
- 食事内容を急に変えず、段階的に調整する
- 水分摂取量を意識する
- 室内の湿度を適切に保つ
- 皮膚や被毛の変化を日常的に観察する
まとめ|知ることで、選択に安心が生まれる
冬〜春の皮膚トラブルは、
環境・体内バランス・食事などが重なって起こることが多いものです。
大切なのは、
一つの方法に頼るのではなく、
「なぜ起こるのか」を理解し、
その犬に合った選択肢を考えること。
症状が続く場合や強い不調が見られる場合は、
必ず獣医師に相談してください。
参考文献・知見
- National Research Council. Nutrient Requirements of Dogs and Cats. National Academies Press.
- Freeman LM et al. Current knowledge about the risks and benefits of raw meat–based diets for dogs and cats. Journal of the American Veterinary Medical Association.
- Watson TDG. Diet and skin disease in dogs and cats. Journal of Nutrition.
- Outerbridge CA. The role of diet in canine dermatologic disease. Veterinary Clinics of North America: Small Animal Practice.
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。
※ 診断・治療を目的としたものではありません。